定義と歴史
棚田の定義
棚田は山地などの傾斜地に階段状で、畦畔をつけて開かれた小区画の水田全般をいいますが、そのような曖昧な定義では、研究対象として定量的に把握することができませんでした。
NPO法人棚田ネットワーク代表の中島峰広 早稲田大学名誉教授は、農水省の「水田要整備量調査」のデータを用 いて「全国棚田分布図」を制作され、今ではそれが一般的に「棚田の定義」として広がっています。
※傾斜1/20とは、水平方向に20㍍進んだとき、1㍍高くなる傾斜のことです
棚田の歴史
正確に棚田がいつごろからみられるようになったかはわからないそうですが、6世紀中葉~7世紀前半の古墳時代には出現していたと考えられています。
その時代の棚田は、緩い傾斜をもった狭い谷の谷底にひらかれた棚田であったと考えられます。「棚田」という言葉が現存する文書でみられるようになるの は室町前期で、1406年の高野山文書の一つに、「今ハ山田ニテ棚二似タル故ニ、タナ田ト云」とあるのが最初だといわれています。
-せんがまちの歴史
千框の棚田は1800年代前半には、見事な景観で知られていました。
『掛川誌稿』によると、以下のような生産高となっていたそうです。なお、石高は土地の生産性を示しています。
1611年―石高268石
1694年―石高277石
19世紀前半―石高280石
資料より、百数十年間石高はほとんど変化していないので、江戸時代前半には千框の開発がほぼ終了していたと考えられます。
*上記文章は『掛川誌稿』、NPO法人棚田ネットワーク固定ページ(http://www.tanada.or.jp/tanadadate/history/)を参照させていただきました。