たなけん1年の朝比奈です。
大学生になり初めての春休み、旅行やライブなど様々な予定を立て、それを励みに後期試験を乗り越えました。しかしコロナウイルスの流行が春休みの予定を連れ去っていきました。イベントが消えてしまったことで使われなくなった春休み貯金で買い物をしたのですが、久しぶりに小説を買いました。今回は春休みに読んだ本の中から二冊ほど紹介したいと思います。
1冊目は知念実希人さんの「崩れる脳を抱きしめて」です。
ネタばれ厳禁派なのであらすじを詳しく紹介するのは避けますが、とにかく一気読みしてしまう内容でした。タイトルは恐ろしいですが最後には心が満たされるお話です。(あと表紙が可愛らしいんです…可能ならお見せしたかった)
作者の知念実希人さんは現役医師でありながら、著書が今春映画化するなど今話題の小説家さんです。この方の作品が好きで以前から読んでいたのですが、ほとんどの作品が医療系なのになぜか飽きないんです。著書の一つである「白銀の逃亡者」という作品は、ある感染症が蔓延した現代社会で起こる事件をテーマにしており非常にタイムリーな作品です。
2冊目はアガサ・クリスティーの「春にして君を離れ」です。
原題は「Absent in the Spring」というのですが、タイトルの和訳に一目惚れしてしまいました。和訳の美しさに触れることも、洋書の楽しみの一つではないでしょうか。アガサ・クリスティーといえばミステリー小説ですが、別名義で6冊ほど小説を書いています。自分のミステリー小説ファンが本を買った時に、ミステリー小説ではなかったとガッカリするのを防ぐためなんだとか…
この本もその中の一冊でミステリー小説ではありませんが、人間のどす黒い心が垣間見えるあらすじでミステリー小説同様の切れ味を持っています。読む際には頭を使いますし、根気強く読むことが求められるかと思います。しかし私が主人公と同世代になった時には今とは違う見方ができるのだろうと感じさせる作品で、発表から80年近くたっても読者の心をつかむ彼女の文章力に驚かされました。
せっかくの春休み、いつもと違うことをしたいという目標は達成できたような、出来ていないような…読書には読書をする時間と心のゆとりが必要だと思っているので、その点では充実した時間を過ごせたのではないでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。
朝比奈