馬の頭をのせた、駒場の里の馬頭観音様
むかし、倉沢地区は駒場の里といって馬を多く育てていました。今のように車のなかったころ、馬は人や荷物を運ぶ大切な動物だったのです。
この大切な馬が突然倒れて死んでしまった場所に置かれたのが、頭の上に馬の頭をのせているお地蔵様、「馬頭観音」です。
倉沢地区には7体の馬頭観音があります。今では人も車も通らない昔の道にひっそりと立つものや、いろいろなご利益があるといわれて立派なお堂の中に立っていて、遠くからもおまいりに来るという馬頭観音もあります。
みなさんも馬頭観音を見つけたら手を合わせてお参りしてみてください。
馬頭観音の言い伝え
「なぜお馬さんが突然死んでしまうの?」「それはね、山の中には時々、人には見えない穴があるんだ。その穴は別の世界につながっているんだよ。別の世界というのは死後の世界だったり、過去や未来だったり、地獄や天国、どこにつながっているかわからないんだ。そしてその穴をふさぐことができるのは、生き物の命だけなんだ。どこに穴があるのか、人にはわからないけど馬にはわかる。馬は気がついて(わあ、この人は気がつかないんだな、この人がこの穴に落ちたらどうしよう)と思い、自分の命でその穴をふさぐんだ。人は、馬が死んだからそこに穴があったことに気がついて、馬への感謝の気持ちを込めて観音様を置くんだよ。」
(出所 : 『河城 名所・人物100選』 p.46 「37 馬頭観音」 より)
投稿者:しずまち