今、棚田ではオタマジャクシからカエルになったばかりのニホンアカガエルの子ガエルたちがたくさん見られます。倉沢の棚田は、静岡県の絶滅危惧種であるニホンアカガエルの繁殖地として知られています。それでは、棚田にはいったいどれくらいのニホンアカガエルが暮らしているのでしょうか?
昨年の冬に田んぼに産み付けられたニホンアカガエルの卵塊の数を数えてみました。
その結果、調査した186枚の田んぼのうち、72枚でニホンアカガエルの卵塊が見つかり、卵塊の数は計275個でした。ニホンアカガエルは生体のメスが1年に1回だけ産卵し、雌雄の個体数比は1:2であるとされています。このことから、倉沢の棚田のニホンアカガエルの生体は少なくとも卵塊数の3倍である825匹はいるものと推計されます。
また、1つの卵塊には100から200の卵が入っていることから、少なくとも27,500~55,000の卵があると推計されるのです。
田んぼで育つのはお米だけではありません。棚田で育つニホンアカガエルの量を計算してみると、棚田1反(10a)あたりのニホンアカガエルのオタマジャクシは2700匹となります。米と比較すると、米10kgに対してオタマジャクシおよそ65匹に換算されます。計算してみると、お茶碗いっぱいのご飯で、およそ0.65匹のニホンアカガエルのオタマジャクシが育っていることになるのです。
投稿者:でんぷろ